(パイプ椅子座ってカウンターでカチカチ数えるやつ)
をやった。
初対面の同じ歳の男の子と一緒だった。
歩行者も車も驚くほど通らず、
2人で真冬の寒さに震えて
貧乏ゆすりしながら、退屈しのぎに会話してた。
話してみると、彼とは大学は違うけど
同じような学問・研究をやってて、
共通の知人も何人かいた。
話題はいつまでも途切れなかったし、
灰色の寒空の下で白い息吐きながら
ひたすら震えてお喋りしてるのも
何だか楽しくなった。
お喋りに付き合ってくれる彼にも
好感を持ち、
もう会えないのが惜しくて、
アドレスを交換してもらった。
何度か連絡を取り合い、
それから「会いたいね」となり、
会った際交際を申し込んで、
付き合うようになった。
しばらくは楽しかった。
でも段々会うごとに、
彼の口から
「だからイケメンは~」みたいな
イケメン憎悪の言葉が出てことが増えた。
「あなただってハンサムだよ」
と言うと、
苦虫噛んだような顔された。
レストランでキビキビ働いてる店員を
(働き者だな~)と見てたら、
「イケメンだから見惚れてるんだろ」
とか言われた。
人混みですれちがった男性に
(あれ、あの人同級生の子かな?似てる人?)
と二度見すれば、
「イケメンだった?」と睨まれた。
仲の良い弟がいるという話にすら
「イケメン?」
と嫌な顔で言われた。
10分に一度は「イケメン~」
という言葉が出る始末で、
会うのが嫌になるようになった。
「そんなにイケメン好きじゃないよ」
という私の主張は
受け入れられなかった。
「いつかイケメンに心変わりするんだろう」
と彼は思ってるようだった。
しばらくは頑張ったが、
徐々に無力感を感じるようになり、
別れを切り出した。
「イケメンに乗り換えるんだろう」
と彼は勝ち誇ったような顔で言った。
「そうかもね」と答えると、
彼はホッとしてるようだった。
しばらくは別れたのが辛くて
彼を思いだしてたが、
あんなに嬉しそうな顔してるのだったら、
あれで良かったんだと考えるようになり、
思い出の一コマになった。
素敵な出会いなのに、悲しい最後。。。
自分も何とか結婚できたけど、
自分のコンプレックスのせいで
相手を傷つけて
駄目にした恋愛があったので刺さるわー
という持論を証明するために、
自分の幸せは捨てたんだね
学者のカガミだ
引用元: ・今まで生きてきて凄く衝撃的だった体験