俺「犯人はわかってるんですよ」従兄「謝れ!」俺の貯金を引き出そうとしている人がいたと警察から連絡がきた。家族を集めて偉そうに推理を披露したら…

俺「犯人はわかってるんですよ」従兄「謝れ!」俺の貯金を引き出そうとしている人がいたと警察から連絡がきた。家族を集めて偉そうに推理を披露したら…
推理小説好きの18歳が偉そうに

推理を披露したら家族全員を不幸にした話。

うちは父親が他の女と別居している

不思議な家庭環境で育った。

俺が高校生の頃、母が亡くなり

父親とその女と一緒に暮らすことに。

その後、俺が幼い頃にお世話になっていた

母の友人が訪ねてきた。

母の遺影を前に涙を流す友人の姿は

ようやく自分の見方ができたような感覚だった。

そんなある日、学校から帰ってきた時

父親と女がそそくさと家から出ていくところを

見かけた。その数時間後警察から

「俺さんですか?通帳等はありますか?」と連絡があった。

隠していたはずの通帳がなくなっていた…


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205: しゅらららの名無しさん 2022/01/10(月) 01:08:28.05 ID:BTPxs7N/
まずはスペック

 

俺   
18歳の推理小説が好きなガキ 中二病

父   
元食品卸売販売会社社長 婚外子たくさんいるDQN

母   
父を恨んで亡くなった 友達多い

従兄  
父に商売教わって独立した24歳

父女  
父に付き添ってた体重100kgぐらいのおばさん

母友  
母が亡くなってからうちに住むことになった線の細いおばさん

 

俺の家庭はDQN父が他の女と別居してる不思議な家庭だった

 

父がローンを払っていた広い一軒家に、

一人息子の俺と母だけが住んでたから、

空き部屋に親戚が泊まったりするのが普通だった

 

高校時代は従兄と同居していて、

タイから仕入れたアクセサリーを

フリマで売る事業をしていた

(タダで住める一軒家は在庫置き場としても最高だった)。

 

壊れた家庭で育ったから、

子供の頃の俺も世間離れした性格してた

 

そんなねじ曲がった子供の趣味が

推理小説だったんよね

 

コナンとか金田一とかが流行ってた頃だったし、

新本格推理小説の謎解き前に犯人当てるのが趣味だった

 

今思うと、漫画の中にいるような

探偵高校生みたいなものに憧れてたんだろうな

 

世間と孤立していた自分と

漫画のキャラを重ね合わせる痛い子供だった、

 

そんな中、高校三年の時に母親が癌で亡くなった

 

DQN父は母の死に際に

「見てらんねー」と部屋を出てゆくクズだったが、

子供の俺を面倒見るために、

付き合ってる女(父女)と

一緒に一軒家で同居することになった

 

俺は子供のころから母親に

「父は私たちを捨てたんだよ」と言われて育ったから、

当然父親を歓迎しなかった

 

母親を死に際まで面倒見たのは

子供の俺だったし、

父を嫌悪する態度は自然とにじみ出ていたことだろう

 

母の死後しばらくは俺、従兄、父と父女が、

一軒家4部屋のうち3部屋を使って生活していた

 

残りの1部屋が母の部屋で、母の遺影が飾られていた

 

そんな中、その家にとある女性が来訪した

 

母の友達だと名乗るおばさん(母友)は、

俺が幼稚園の頃に世話になり、

小学校に上がる前に引っ越して縁がなくなっていた

 

当然父も父女も従兄も正体を知らなかったから、

俺が関係を説明して家に迎え入れた

 

母友は母の部屋にある遺影を前に涙を流していた

 

そして、経済的な事情で住むところがないこと、

しばらくの間、

母の遺影が飾られた部屋に住まわせてほしい

と言われ、

俺たちはそれを受け入れた

 

父は父女と毎朝、仕事やパチンコや雀荘に出向いて

夜に帰ってくる生活を送っていた

 

従兄も商売人として忙しかったから、

必然家には学生の俺と母友、母友娘が長居していた

 

当時自炊ができなかった俺は、

母友に料理を作ってもらい、

一緒にテレビを見るなどして過ごしていた

 

母の死後20年近く経った今思えば、

母も母で立派な母とは言い難い人だったんだが、

亡くなった当時は良い思い出だけが思い出されるもの

 

俺と母友は、共通の話題として

母について話して意気投合していた

 

一軒家に住む5人のうち、

長らく一緒に母と住んでいた俺と従兄は

母が好きだった

 

逆に、長年母と別居していた父が

母について語ることはなかったし、

父女は形上俺を気遣ってくれるが、

そもそも父と母が袂を分かった原因なのだから、

母を好きであるはずがない

 

そんな環境で、

母の話を泣きながらする母友を見て、

味方ができたと感じていた

 

とある日、学校から帰った自宅前で

父と父女とすれ違う

 

いつものことだが、

俺を無視するように2人はハイエースに乗って

どこかに出かけていった

 

その1~2時間後、家の固定電話が鳴る

警察からだった

 

「●(俺)さんですか? 

貴方の貯金を引き出そうとする人がいましたが、

暗証番号を間違えて逃げていきました。

通帳等はありますか?」

 

言われる通りに調べると、

俺の部屋の棚に隠してあった通帳が消えていた

 

実はその通帳には、

生前母親から送られた数百万円単位のお金が入っていた

 

母が亡くなったのは俺がギリギリ17歳の時

 

ギャンブル狂の父に保険金を渡しても

一夜で消えるだけと理解していた母は、

なんとか保険金を俺に預けたかったようだが、

保険金の受取期日が死後2年までである関係で、

保険金を俺に渡すことができなかった

(事実その保険金は後日、父が裏カジノで一夜にして溶かした)

 

だからせめて貯金は俺に預けようと考え、

俺の口座に貯金を移したのだった

 

「今夜、警察がそちらのお家に伺います。

お住まいの方々を自宅に呼んでおいてください」

 

俺は警察に言われるがまま、

従兄、父と父女、母友に電話して呼び寄せた

 

そして、俺の中の悪い虫が羽根を立てた

 

まず通帳を隠してあった棚まわりを調査した

 

その棚は鍵がかけられたんだけど、

子供用勉強机の鍵だから10円玉ひとつで開けられた

窓から入った可能性もあるとはいえ、

侵入された痕跡もないし、

家にいた誰かが盗んだ可能性が高い

 

すぐさま自転車に乗り、

引き落としされそうになった郵便局に向かった

 

自転車で20分ほどの駅前の郵便局を観察。

隣に駐車場完備、

車なら10分もかからないだろう。

 

そしてそそくさと、

俺を避けるように車で出かけて行った父と父女。

点と点が線になってつながった。

 

俺は興奮しながら自転車を立ちこぎして自宅に戻った。

 

自宅に帰ると居間にみんなが揃っていた

 

パチンコに行っていたという父と父女

彼女とデートをしていた従兄

友達と会っていた母友

みんなには緊急事態になった事だけを伝えていたので、

何が起きたのかと父に聞かれた

 

間もなく入ってくる警察

騒然とする居間

 

警察官が事情を説明して、

各自の指紋を採取してゆく中

俺はぽつりとつぶやいた

 

「犯人はわかってるんですよ」

 

この言葉には警察官すら目を見開いていた

 

しかし、現場にも足を運んで、

この事件の情報を誰よりも調べたのは俺だ

と、推理小説好きの子供が無邪気にはしゃいでいた

この後何が起きるかも知らずに

 

「誰がやったんだよ!」

父は興奮気味に言った。

 

「それは父が一番知ってるんじゃないですか?」

「は?なに言ってんだ!」

 

「郵便局の監視カメラに映ってるんです。もう逃げられません」

「監視カメラを見たのか?」

 

「い、いや、見てないですけど……」

「ならなんでわかったんだよ!」

 

掴みかかってきそうになった父を

恐れる本心を隠しながら、

探偵みたいに毅然と言ってやった

 

「お前とその女が盗もうとしたんだろ!」

 

「もういい!出てく!」

その声は父女の怒声。

 

犬の威嚇音にも似た本気の敵意だった。

 

あれ?と思って

背筋が凍ったのを今でも思い出す。

「ちょっと待て!ふざけんなお前!」

父が俺の胸倉を掴み殴り倒す。

 

警官が間に入って仲裁していたようだけど、

頭に血が上ってて何を言ってたかは覚えてない。

 

ただ、父女がブチギレて家を出ていき、

父がそれを追ったこと。

 

「●(俺)!謝れ!」

と怒鳴る従兄。

 

「なんであんなこと言っちゃうの…」

と涙ぐむ母友。

 

アンバランスながらも、

母の死に一番傷ついたであろう俺を気遣う点だけで

まとまっていた同居人5人の間に亀裂を入れたのは、

みんなに気遣ってもらっていた俺の不用意な一言だった

 

警察が去ったあと、

俺は逃げるように公園へと向かった

 

夜中から明け方になるまで、

星空を見上げなが浅い息を吐き続けた

 

自分が「やってはいけない事」に

手を染めてしまったことに、

遅ればせながら気が付いた

 

推理小説の中で、

探偵が推理を披露する時はいつも

ハッピーエンドだったのに

俺は探偵にでもなったつもりで、人を傷つけてしまった

 

いや、本当に父と父女が犯人かもしれない

 

むしろそうであってほしい……

そう願ってしまうような悲しい夜だった

 

翌日

母友が消えた

 

それが答え合わせだった

 

俺が学校に出向いたあと、

俺の部屋にあった通帳を盗んだのは母友だったのだ

 

従兄は俺のことを心配してくれる理解者だった

 

父と父女はギャンブル狂とはいえ、

犯罪に手を染めてまで金を欲してはいなかった

 

お金に困り住む場所すらなくしていた

母友が盗むというのは、

動機面で見ればもっともありえそうな話だったろうに

 

ただ、母を亡くしたばかりで不安定だった俺が、

父と父女への反発心と、

母の遺影を見て涙ぐむ母友への親近感から、

眼鏡を曇らせていたというだけの話

 

自分のちっぽけさを理解させられた、

教訓じみた経験だったよ

 

これを読んでくれた君が、

疑わしきは罰せずって言葉を

胸に刻んでくれると嬉しい

 

222: しゅらららの名無しさん 2022/01/10(月) 22:36:18.22 ID:1cZx3KGc
今はみんなどうなってるの

 

223: しゅらららの名無しさん 2022/01/11(火) 04:08:50.65 ID:WHtNdOZl
>>222
俺  
事件後1年で実家差し押さえで強制一人暮らし。
今は独身個人事業主として細々と生活

父  
自宅差し押さえられた後も父女と二人暮らし、
3年前に癌で他界

従兄 
上場企業社長になったが婚外子たくさんで父の再来

父女 
父の葬式喪主やってから会ってない

母友 
事件後会ってないし自宅も売られたから
今後会う事もないだろう

 

224: しゅらららの名無しさん 2022/01/11(火) 06:40:43.77 ID:bkv2W4OO
今はとりあえず穏やかに暮らせてるなら良かった

いとこがファンキーだな!w

 

225: しゅらららの名無しさん 2022/01/11(火) 16:13:35.21 ID:XtNrc/2i
>>219
小説好きなだけあって

臨場感ある文章だから実話かと疑っちゃうけど笑、

事実だとしたら貴方が気に病むことは全くないよ

黒歴史スレに書くような出来事じゃない

 

厨二病どころか、

コナンとかちょっと読んだだけでも

思春期なら少しくらい真似しちゃうもんだし

保険金一晩で溶かすような人間なら疑われて当然。

 

結果的に間違ってても、

普段の行いが悪いんだから親父たちが

文句言う権利は一切ない。

 

貴方は人を傷付けてしまっただなんて

絶対に思わなくていい。

 

自分は貴方よりよっぽど自由で裕福な環境で育ったのに、

父親と母親が許せなくて非人道的な仕返しをしたけど、

それを悪いと思ったことは一度も無いよ

 

そんな面の皮の厚い人間も居るんだから、

貴方も家庭を壊しただなんて思い込まなくていいんだよ

 

18歳の子供が、

自分が正しいと思ったことを勇気出してやったんだから、

恥じることなんて何も無い

寧ろ貴方は強くて素敵な人だと思います

 

234: しゅらららの名無しさん 2022/01/12(水) 23:28:45.52 ID:Fzulwnyh
>>224
ありがとう。

従兄の会社は元従業員の口コミサイトで

ボロクソに叩かれてるよ。

部下何人も孕ませてるから。

>>225
ありがとう。

そう言ってくれると救われる。

 

漫画の中と違って、

現実における言葉の切れ味はえげつないという

教訓だけみんなに伝えたいんよね。

 

220: しゅらららの名無しさん 2022/01/10(月) 01:38:54.66 ID:BpzOw7/f
これは中学生の頃書いたのか!?

 

221: しゅらららの名無しさん 2022/01/10(月) 01:51:36.88 ID:BTPxs7N/
>>220
37のオッサンが書いてるよ

 

思い出したくもない過去だったから

ずっと胸の内に封じてたんよ

 

引用元: ・【消したい】自分の黒歴史を話すスレ9【過去】

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