ドスの効いた声で電話をかけてきた。
男「おたくのダンナが
借金払わないんで困ってんだけど?」
私「なんのことでしょう?
心当たりがないんですけど。
確認してお電話かけ直しますので、
電話番号とお名前を教えて下さい」
男「かけなおさなくていいよ。
ダンナいるんだろーが?あ?」
私「(ホントはいたけど)出かけてます。
だいたい借金て?
あなたいったい誰?
名前も名乗れないわけ?」
相手は、脅かせば電話を
代わるとでも思っていたらしく
私が食い下がったのでちょっと戸惑っている様子。
男「いやぁ、俺はただの代理人。
ダンナが金借りてる相手が事故って、
すぐ金が要るんで代りに俺が電話してんだけど?」
いかにも胡散臭い話だったので
もう少し突っ込んでみたくなった。
私「ハァ?あなたの借金じゃないんですね?
じゃその事故った本人って誰?」
男「・・・今は言えない」
私「あなた名前も解らない人の
代理人って、通用すると思いますか?」
男「なんだと?じゃ言ってやるよ。
本人の名前はなぁ・・・」←考えてる様子
私「名前は?」
男「・・・タナカ」
声が小さくなってる
私「タナカ?で、下の名前は?」
男「・・・タロウ」
さらに声が小さくなってる
私「(大きな声で)たなかたろう?
たなかたろうさんですかぁ?プ」
田中太郎。
ひねり無し?
しばし沈黙のあと、
男は自分の融通のきかなさに
気まずくなったみたいで
「うるせぇー!
テメェみてーなのは香港に
売り飛ばしてやる!」
ガチャ。
と電話を切った。
あれっきりかかってこないんだけど、
台本を書きなおして
リベンジしてくるんじゃないかと
ちょっと不安もある。
ホント足りないヤシだなぁ
足りないが何か憎めないなぁ…
そんなんじゃ
騙す事も碌に出来そうにない感じだし。
えらい!
胸がスーッとしたよ!
しかしその男も足りない頭を使って
一生懸命考えたんだろうなあと
思うと笑えてくる。
しかも捨て台詞が
「香港に売り飛ばす」って…。
楽しい話をサンキューでした。
GJ!
しかし頭の弱いDQNだな
ネタ的に田中太郎と
答えちゃった男にGJ!と言いたい。