このセリフは創作物の中限定だと思ってた
カナダに向かう飛行機の中で、
皆が寝静まった後も某車のアニメ映画を見てた俺は、
隣の男性が明らかに変な息遣いをしてることに気づいた
顔面蒼白を体現したような顔色で、
当時の俺にもヤバイと分かったくらい
慌てて日本人添乗員の姿を探すも、
どこにも見えない
シートベルト着用ランプが点灯してる中、
席を離れていたのでカナダ人の添乗員に咎められた
覚悟を決めて、
中学三年生レベルの英語で危機を伝えた
不思議なもので、
追い詰められると人間は他の言語力が向上するようだ
添乗員の一人はすぐに休憩中の日本人添乗員を呼び出し、
もう一人は俺の誘導で、苦しむ男性の元に向かった
男性の姿を見るや否や、
カナダ人の添乗員さんは英語で何やらもう一人に伝え、
駆けつけた日本人の添乗員は酸素ボンベを手に介抱を始めた
直後、アナウンスで、
「A doctor!!!! A doctor!!!! @\(:(」\@」、:(、」
後半は何も理解できなかったが、
医者を探していることは明らかだった
幸いなことにブロンド髪の若い兄ちゃんが駆けつけ、
何やら添乗員に伝えた
…たぶん、
自分は医学生だ的なことを言ってたと思う
騒然とする機内の中で、
席を兄ちゃんに渡した俺は立ってる他になく、
揺れる度に転ばないようにするのがやっとだった
機体が煽られて大きく揺れ、
俺が思いっきり後ろにひっくり返ったとき、
添乗員が凄みのある英語で、
医学生の兄ちゃんが座っていた席に座るように指示してきた
連れられた席に座ると、
何が起こったのか把握できてない日本人や、
引いては外人さんから、質問の嵐を食らった
一時間ほどして、
医学生の兄ちゃんが添乗員と戻ってきた
兄ちゃんの言ってることは殆ど分からなかったが、
笑顔から男性が無事なことは読み取れた
元の席に戻り、
眠らないまま初フライトを終えたが、
おそらくこれ以上の衝撃的な飛行機での旅は無いだろう
余談だが、
眠らなかったおかげで時差ボケは全く影響無かった
人生初めての海外旅行で海外航空会社を利用、
ブッキングミスで行きはビジネス、帰りは普通にエコノミー
行きと帰りで、
フライトアテンダントの体型が3倍くらい違っていてスレタイ
料金の差は、座席の狭さや食事だけじゃなかったのか…
5列くらい前にいた団体の兄ちゃんたちの中の
2人が具合悪くなって、
乗客の中の医者が駆けつけて介抱してたのを思い出した。
その兄ちゃんたちは酒飲んでうるさかったから、
酔っ払いすぎての体調不良だったらしい。
一時はかなり具合悪そうだったから、
日本に引き返すんじゃないかとはらはらしたよ。