「もしもの時のために、ビデオを撮っておいてほしいんだ」そう言った会社の同僚が半年後に亡くなった。残された家族と一緒にビデオを見ようとしたら…

「もしもの時のために、ビデオを撮っておいてほしいんだ」そう言った会社の同僚が半年後に亡くなった。残された家族と一緒にビデオを見ようとしたら…
フリークライミングが趣味の同僚。

その同僚がある日、

「もしもの時のために、ビデオを撮っておいてほしい」

とお願いされた。

趣味が趣味だから、いつ命を落とすかもしれない

ということであらかじめ家族へのメッセージを

残しておきたいということだった。

俺の部屋で家族あてのメッセージを撮影した。

それから半年くらいして、同僚が亡くなった。

葬儀関係が落ち着いた頃、

このビデオメッセージの話を家族にしたら

見せて欲しいと言うので、

再生してみたら、確かに俺が撮影したはずなのに…


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348: しゅらららの名無しさん 2013/10/31(木) 20:40:35.54 ID:pbcQ5w5I0
会社の同僚が亡くなった。

 

フリークライミングが趣味のKという奴で、

俺とすごく仲がよくて

家族ぐるみ(俺の方は独身だが)での付き合いがあった。

 

Kのフリークライミングへの入れ込み方は本格的で

休みがあればあっちの山、

こっちの崖へと常に出かけていた。

 

亡くなる半年くらい前だったか、

急にKが俺に頼みがあるといって話してきた。

 

「なあ、もしものときのために、ビデオを撮っておいてほしいんだ」

 

趣味が趣味だけに、いつ命を落とすかもしれないので、

あらかじめビデオメッセージを撮っておいて、

万が一の際にはそれを家族に見せてほしい、

 

ということだった。

俺はそんなに危険なら家族もいるんだから辞めろ

いったが、

クライミングをやめることだけは

絶対に考えられないとKはきっぱり言った。

いかにもKらしいなと思った俺は撮影を引き受けた。

 

Kの家で撮影したらバレるので、

俺の部屋で撮ることになった。

 

白い壁をバックに、ソファーに座ったKが喋り始める

 

「えー、Kです。

このビデオを見てるということは、

僕はいなくなってしまったということになります。

○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、

今まで本当にありがとう。

僕の勝手な趣味で、みんなに迷惑をかけて

本当に申し訳ないと思っています。

 

僕を育ててくれたお父さん、お母さん、

それに友人のみんな、僕がいなくなって

悲しんでるかもしれませんが、

どうか悲しまないでください。

僕は天国で楽しくやっています。

皆さんと会えないことは残念ですが、天国から見守っています。

××(娘の名前)、

お父さんはずっとお空の上から見ています。

だから泣かないで、笑って見送ってください。ではさようなら」

 

もちろんこれを撮ったとき

Kは生きていたわけだが、それから半年後

本当にKは亡くなってしまった。

 

クライミング中の滑落による事故で、

クライミング仲間によると、

通常、もし落ちた場合でも大丈夫なように

下には安全マットを敷いて登るのだが、

このときは、その落下予想地点から大きく外れて

落下したために事故を防ぎきれなかったのだそうだ。

 

通夜、告別式ともに悲壮なものだった。

 

泣き叫ぶKの奥さんと娘。

俺も信じられない思いだった。

まさかあのKが。

 

一週間が過ぎたときに、

俺は例のビデオをKの家族に見せることにした。

さすがに落ち着きを取り戻していたKの家族は

俺がKのメッセージビデオがあるといったら

是非見せて欲しいと言って来たので

ちょうど初七日の法要があるときに、

親族の前で見せることになった。

 

俺がDVDを取り出した時点で、すでに泣き始める親族。

 

「これも供養になりますから、是非見てあげてください」

とDVDをセットし、再生した。

 

ヴーーーという音とともに、

真っ暗な画面が10秒ほど続く。

 

あれ?撮影に失敗していたのか?

と思った瞬間、真っ暗な中に

突然Kの姿が浮かび上がり、喋り始めた。

 

あれ、俺の部屋で撮ったはずなんだが、

こんなに暗かったか?

 

「えー、Kです。

このビデオを・・るということは、

僕は・・んでしまっ・・いう・・ります。

○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、

今まで本・・ありが・・・」

 

Kが喋る声に混ざって、

さっきからずっと鳴り続けている

ヴーーーーーーという雑音がひどくて

声が聞き取りにくい。

 

「僕を育ててくれたお父さん、お母さん、

それに友人のみんな、

僕がいなくなって悲しんでるかもしれませんが、

どうか悲しまないでください。

僕はズヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

アアアアアアアアアアアアア

××(娘の名前)、

お父さんヴァアアアアアアア

アアアアアア生きていたい!

ズヴァアアアアアアアにたくないよおおおおヴヴァアア

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア、ザッ」

 

背筋が凍った。

 

最後の方は雑音でほとんど聞き取れなかったが、

Kの台詞は明らかに撮影時と違う

断末魔の叫びのような言葉に変わり、

最後Kが喋り終わるときに

暗闇の端から何かがKの腕を掴んで

引っ張っていくのがはっきりと見えた。

 

これを見た親族は泣き叫び、

Kの奥さんはなんて物を見せるんだと俺に掴みかかり、

Kの父親は俺を殴りつけた。

 

奥さんの弟が、K兄さんはいたずらで

こういうものを撮るような人じゃない

となだめてくれたおかげで

その場は収まったが、

俺は土下座をして、すぐにこのDVDは処分しますと

いってみんなに謝った。

 

翌日、DVDを近所の寺に持っていったら、

処分をお願いしますという前に

住職がDVDの入った紙袋を見るや否や

「あ、それはうちでは無理です」と。

 

代わりに、ここなら浄霊してくれる

という場所を教えてもらい、行ったが

そこでも

「えらいとんでもないものを持ってきたね」と言われた。

 

そこの神主(霊媒師?)によると、

Kはビデオを撮った時点で完全に地獄に

引っ張り込まれており、

何で半年永らえたのかわからない、

本来ならあの直後に事故にあって亡くなっていたはずだと言われた。

 

引用元: ・ほんのりと怖い話スレ その98

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